「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」

spご心配なことと存じます。


御相談文中「髄膜瘤:ずいまくりゅう」ではないことが脳MRIにて確認されたこと
本当に宜しかったですね。

御回答文中に
「偽性髄膜瘤:ぎせいずいまくりゅう」という「用語」を
用いますがこれは「小児頭部外傷」後遺症としての「範疇:はんちゅう」
の「髄膜瘤:ずいまくりゅう」とはことなる概念なのですが
「お読みすて」下さい。

#1
##1
「先日、生後10ヶ月の息子の眉間の瘤について相談させて頂いた者です。
お忙しい中、山本先生からは大変丁寧なお返事とご助言を頂き
本当にありがとうございました。
頭部髄膜瘤の疑いがあるとの事で脳外科で診察を受けたのですが
生後1ヶ月時に撮ったMRIの画像に異常が無い事、
頭部レントゲンの写真より瘤の下に骨の欠損が無いこと、普段は全く瘤が目立って
いない事等より髄膜瘤では無いと言われました。
しかし瘤が出来る原因が判らないので半年後に経過を見せてくださいと言われました。
ホッとした反面、じゃあ何なんだろうと不安が残ったままの状態です。
その後インターネットで色々検索していて
頭部髄膜瘤と似た症状の病気で「頭蓋骨膜洞」という病気があると記述を見たのですが
ウチの子にこの病気の可能性は無いのかと少々不安に思っています。
「頭蓋骨膜洞」とはどういう病気なのでしょうか?おおまかな事で結構ですので
何度も申し訳ありませんが何か情報を頂けたらと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。」
との事です。






#2
##1
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」
とは極めて簡単に「内容物」だけでお話すれば
「髄膜瘤:ずいまくりゅう」とは異なり内容が「血液」であるという
点で根本的に異なります。

##2
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」は
「偽性髄膜瘤:ぎせいずいまくりゅう」と全く同じ特徴を持っています。

##3
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」の発生には
「小児頭部外傷」の「存在」が「大前提」です。

##4
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」は
「小児頭部外傷」にて「頭蓋骨骨折」の存在を「大前提」と致します。

##5
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」は
「小児頭部外傷」の「頭蓋骨骨折」の「骨折部」を通じて「静脈洞」という
「太い静脈」と「交通性」のある「血腫」を「骨膜下:こつまくか」或いは
「帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)下」に「完成」する「病態」で御座います。

##6
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」は
圧縮性や「頭」の位置を変えたりしたときの「「腫瘤」の大きさの変化など
「偽性髄膜瘤:ぎせいずいまくりゅう」と変わりは御座いません。

##7
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」
に関して
怖い話しですが=>##8。

##8
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」の場合
若い「脳神経外科専門医」が「小児頭部外傷」の「骨膜下血腫」或いは
「帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)下血腫」と間違えて「血腫」を
穿刺した「場合」はもしも「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」
であれば。

##9
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」
では
「命」を落とすまで血液が出尽くします。




#3結論:
##1
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」は
「小児頭部外傷」を大前提に「骨欠損」の存在を大前提に。
一般に「頭蓋骨」正中泉にそって認められる「病態」で御座います。

##2
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」は
時に外側にも多発性にも発現することが御座います。


##3
「頭部レントゲンの写真より瘤の下に骨の欠損が無いこと、
普段は全く瘤が目立って
いない事等より髄膜瘤では無いと言われました。」
との事です。

##4
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」は
頭部X線撮影及び脳MRIにて容易に「診断」が可能で御座います。

##5
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」を
ご心配されているようですが。
「骨欠損」もなく
「骨膜下血腫」も「帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)下血腫」
もないご子息様に
「頭蓋骨膜洞:ずがいこつまくどう:sinus pericranii」

存在するはずが御座いません。

##6
何卒に御心配されませんように。





上記あくまでもご参考にまでお留めおき
ご無事にお大事にされて下さいませ。





何卒にお大事にされてお健やかにされてくださいませ。





何卒にお大事にされてお健やかにされてくださいませ。






補足:
前回の御相談と御回答は下記の通りでございました(一部)(+++以下)。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ご心配なことと存じます。
「新生児仮死で生まれたものの現在の所元気に育っております。」
との事です。
本当に宜しかったですね。

けれども
この御相談者の御記載内容が正しければ
「頭蓋閉鎖[縫合]不全[症]:cranial dysraphism]
の可能性が御座います。

通常はお誕生と同時に「診断」がつくはずのものなのです。

頭部の「髄膜瘤:ずいまくりゅう」についての御相談で御座います。
うまくご説明できるとよろしいのですが。

因みに
「頭蓋髄膜瘤:ずがいずいまくりゅう:cranial meningocele」
は「外見上鑑別不能」な「5つの同一「病態」」の
「一種」であることを覚えておかれて下さい。
この「5種類」につき下記に順を追って御回答致します。





#1
##1
「生後10ヶ月の息子について相談させて下さい。
生まれた時から泣くと眉間の間が膨れて瘤のようになります。
先日小児科の先生から気になるので脳外科で診て貰うように言われました。
普段は平らで全く目立ちません。只、眉間にシワを寄せる表情をする時、
泣く時にポコンと膨らみます。
瘤は緊満しているものの柔らかで拍動性はありません。
髄膜瘤ではないかと小児科の先生から言われ大変不安になっています。
ネットで調べると脊髄の髄膜瘤に関しての記載は多くあるのですが
頭部の髄膜瘤に関しては殆ど情報がありません。
そこで御相談致したい事がいくつかあります。

1、髄膜瘤の可能性がやはり高いのでしょうか?
2、そうであれば今後予後はどういった経過をたどる事が
  多いのでしょうか?
3、手術の可能性はありますか?
4、今後の子供の発育に障害が起きる危険性はありますか?

早産、新生児仮死で生まれたものの現在の所元気に育っております。
お忙しい中大変恐縮です。どうぞ宜しくお願い致します。」

との事です。



#2
##1
脊椎に「髄膜瘤:ずいまくりゅう」が発生する場合
「脳神経外科専門医」は
「潜在性2分脊椎:spina bifida occluta:SBO」と
「嚢胞性2分脊椎:spina bifida cystica:SBC」と「瘤」よりも
「瘤」が発生している「分断状態」から「病態」を考えます。

##2
これらは広く「中枢神経系」の「閉鎖[縫合]不全[症]]という「病態」で
考えます。

##3
妊娠早期「胎生第4週」で決まります。

##4
脊椎では「嚢胞性2分脊椎:spina bifida cystica:SBC」が
「「髄膜瘤:ずいまくりゅう」に相当致します。



#3
##1
頭部の場合の「閉鎖[縫合]不全[症]]は脊椎と基本的には
同様で御座います。
頭部の場合広く「頭蓋閉鎖[縫合]不全[症]:cranial dysraphism]と
呼称致します。

##2
##1ですが「頭蓋閉鎖[縫合]不全[症]:cranial dysraphism]は
頻度はずっと脊椎よりは少ないものです。


##3
「頭蓋骨」や「頭蓋底」のどこにも発生致しますが
最も頻度の高いのは「後頭部正中線上」です(Czechら:1995)。

##4
最も「軽症」の「病態」が「潜在性2分頭蓋:cranium bifidum occultum」
最も「重症」の「病態」が「無脳症:anencephaly」という「病態」。

##6
「無脳症:anencephaly」の場合は皮膚も頭蓋骨も硬膜も「欠損」して
「脳組織」が直接「「露出」しているものであり「脳組織」が「ない」わけでは
御座いません。

##7
##4の「潜在性2分頭蓋:cranium bifidum occultum」から
「無脳症:anencephaly」という「両極端」の間に様々な
「頭蓋閉鎖[縫合]不全[症]:cranial dysraphism]があり
御相談者はこの「病態」を「髄膜瘤:ずいまくりゅう」として
御相談されているものと存じます。


#4
##1
「頭蓋閉鎖[縫合]不全[症]:cranial dysraphism]の様々な「病態」
には「5種類」御座います。
この御説明は省略いたします。

###1
「頭蓋髄膜瘤:ずがいずいまくりゅう:cranial meningocele」
###2
「脳瘤:のうりゅう:encephalocele」
###3
「脳髄膜瘤:のうずいまくりゅう:encephalumeningocele」
###4
「脳嚢胞瘤:のうのうほうりゅう:encephalocytocele」
###5
「脳脳嚢髄膜瘤:のうのうほうずいまくりゅう:encephalocystomeningocele」

##2
「頭蓋閉鎖[縫合]不全[症]:cranial dysraphism]の
俗言う「髄膜瘤:ずいまくりゅう」には以上の「5つ」の「病態」
が御座います。

##3
「外見」「概観」からの以上の
「頭蓋閉鎖[縫合]不全[症]:cranial dysraphism]
を鑑別することは全く不可能で御座います。

##4
「頭蓋閉鎖[縫合]不全[症]:cranial dysraphism]で
眉間の間に発生する「病態」は5%で御座います。
因みに「後頭部」は74%で御座います。

##5
これらの頭部「髄膜瘤:ずいまくりゅう」の「診断」は
頭部X線撮影+脳CTにて鑑別「診断」を致します。

##6
「臨床神経診断学」的には何も「症状・症候」は起こしません。

##7
但し御考えいただければすぐにわかりますが「中身」が外界と
交通したら=「破裂したら」大変なことになります。

##8
「脳神経外科専門医」による手術にて「治療」致します。
嚢胞が破裂して「生まれる」ことも多く「出産」と同時に
手術になることも御座います。

##9
##8より「麻酔科専門医」「産婦人科専門医」
「小児科専門医」「脳神経外科専門医」
が同時に「分娩」=「多くは帝王切開」にあわせて「チーム」を
くんで「泊り込み」になります。

##10
たとえ「瘤」がはれつしていなくても・しそうでなくても
ご両親の気持ちを考えて分娩と同時に手術になります。





#5結論:
##1
「1、髄膜瘤の可能性がやはり高いのでしょうか?」
=>
「高い」というか
「頭蓋閉鎖[縫合]不全[症]:cranial dysraphism]であろう
と今の私は考えます。

頭部X線撮影及び脳CTを撮影しなければ確定診断はできません。

10ヶ月「経過観察」されたのが「奇跡」です。

##2
2、そうであれば今後予後はどういった経過をたどる事が
  多いのでしょうか?
=>
「臨床神経診断学」に「症状・症候」は何もでませんが
ご両親が「「頭蓋閉鎖[縫合]不全[症]:cranial dysraphism]
の場合は大変「苦しまれる」ので超早期に手術を致します。

##3
3、手術の可能性はありますか?
=>
御座います。

##4
4、今後の子供の発育に障害が起きる危険性はありますか?
=>
ありえないないと今の私は考えます。

但し御相談者の御記載内容通りであるとしたら
もっともっと早くに通常は対応されるものであり
10ヶ月の現在生下時手術から10ヶ月経過されすくすくと
生長されているはず。



上記あくまでもご参考にまでお留めおき
ご無事にお大事にされて下さいませ。



何卒にお大事にされてお健やかにされてくださいませ。




何卒にお大事にされてお健やかにされてくださいませ。

[2004年6月24日 10時24分8秒]


--------------------------------------------------------------------------------
お名前: kazumi   
生後10ヶ月の息子について相談させて下さい。
生まれた時から泣くと眉間の間が膨れて瘤のようになります。
先日小児科の先生から気になるので脳外科で診て貰うように言われました。
普段は平らで全く目立ちません。只、眉間にシワを寄せる表情をする時、
泣く時にポコンと膨らみます。
瘤は緊満しているものの柔らかで拍動性はありません。
髄膜瘤ではないかと小児科の先生から言われ大変不安になっています。
ネットで調べると脊髄の髄膜瘤に関しての記載は多くあるのですが
頭部の髄膜瘤に関しては殆ど情報がありません。
そこで御相談致したい事がいくつかあります。

1、髄膜瘤の可能性がやはり高いのでしょうか?
2、そうであれば今後予後はどういった経過をたどる事が
  多いのでしょうか?
3、手術の可能性はありますか?
4、今後の子供の発育に障害が起きる危険性はありますか?

早産、新生児仮死で生まれたものの現在の所元気に育っております。
お忙しい中大変恐縮です。どうぞ宜しくお願い致します。

[2004年6月23日 23時37分24秒]


--------------------------------------------------------------------------------


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


何卒にお大事にされてお健やかにされてくださいませ。

[2004年7月15日 10時36分23秒]


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お名前: kazumi   
先日、生後10ヶ月の息子の眉間の瘤について相談させて頂いた者です。
お忙しい中、山本先生からは大変丁寧なお返事とご助言を頂き
本当にありがとうございました。
頭部髄膜瘤の疑いがあるとの事で脳外科で診察を受けたのですが
生後1ヶ月時に撮ったMRIの画像に異常が無い事、
頭部レントゲンの写真より瘤の下に骨の欠損が無いこと、普段は全く瘤が目立って
いない事等より髄膜瘤では無いと言われました。
しかし瘤が出来る原因が判らないので半年後に経過を見せてくださいと言われました。
ホッとした反面、じゃあ何なんだろうと不安が残ったままの状態です。
その後インターネットで色々検索していて
頭部髄膜瘤と似た症状の病気で「頭蓋骨膜洞」という病気があると記述を見たのですが
ウチの子にこの病気の可能性は無いのかと少々不安に思っています。
「頭蓋骨膜洞」とはどういう病気なのでしょうか?おおまかな事で結構ですので
何度も申し訳ありませんが何か情報を頂けたらと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。

[2004年7月15日 0時41分55秒]
by mmdmsci | 2004-07-15 13:25 | 脳神経外科


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