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339記事タイトル:山本クリニック脳神経外科・神経内科相談掲示板最近の話題339
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脳腫瘍に「罹患」された患者さんご自身の身になって考える。
腰痛の専門医。
「機頭痛系の疾患」で「能性頭痛」には「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」等
があります。
脳神経外科・神経内科・内科・外科・形成外科・美容外科
東京都 世田谷区 山本クリニック 山本博昭(脳神経外科専門医・外科認定医)
電話03-3300-1126 FAX03-3300-3388
住所 〒157-0062 東京都 世田谷区 南烏山 3-23-1
京王線芦花公園駅(ろかこうえん)北口下車1分・旧甲州街道沿い
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●御相談タイトル:【 右側頭葉の皮質下出血 】
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回答者:
東京都 世田谷区 山本クリニック 山本博昭(脳神経外科専門医・外科認定医)
これはさぞかし御心配であろうと存じます。
御気持ちは大変よく判ります。
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
止むを得ずも
1・
「御父様」の脳CTの
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」の「大きさ」
の御記載がありません。
2・
また
「出血源」の確認を必要とする
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」の「病態」に
「本物の脳血管撮影」が行われたか否かの御記載がありません。
3・
また
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」の場合は
「症候性痙攣発作」を惹起しやすいため・或は
「本物の脳血管撮影」でも描出しえなかった
「「病態」=「血管腫」であることが多い」除去のために
通常行われるはずの
「開頭手術」が行われたか否かの御記載がありません。
御回答限界でもあるのですが
けれども「可能な範囲内で」御回答を試みます。
++++++++++++++++++++++
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。
脳血管障害の「出血性脳血管障害」である
「脳内出血 :intracerebural hematoma:ICH」
のなかでも
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」は
「血管腫」という「出血源」をもつ
「脳内出血 :intracerebural hematoma:ICH」です。
また
「症候性痙攣発作」を起しやすいことでも
有名な「病態」。
「中枢神経系」の「病態」で
「グリセオール:gliceol」静脈投与が行われる
は
「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」があり
「頭蓋内圧亢進」があるということです。
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
何かとても不思議な感触を否めません。
下記に順を追って御回答致します。
++++++++++++++++++++++
#1
##1
「
はじめまして。
66歳の父の事で相談します。
5月末に右側頭葉皮質下出血で入院しました。
麻痺はひどくなく半盲が残るくらいといわれました。
が1ヶ月たっても点滴で、
その後転院先を探し転院してからは離乳食になりました。
転院数日前の夜てんかんを起こしたと言われ
アルビチアンを投与されました。
しかし、てんかんの症状もみられず
転院先の脳波でもてんかんかは微妙だと
言われました。
抗てんかん剤をやめるわけにはいかないのでしょうか。
てんかんでないのに打ってるとと考えると不安です。
いまだに目をよく閉じ、ぼーっとしてる事のほうが多く、
この点も不安です。
時間が解決するのでしょうか。
なにか改善策はないのでしょうか。
薬はグリセレブから
転院後はグリセノールに変わりました。
お忙しいとは思いますが、アドバイスをお願いします。」
との事です。
#2
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
「中枢神経系専門医」が考えて
不思議な点が大変に多いように思えます。
##2
「66歳の父の事で相談します。
5月末に右側頭葉皮質下出血で入院しました。
麻痺はひどくなく半盲が残るくらいといわれました。」
との事です。
##3
「右側頭葉皮質下出血」の「皮質下出血:sub-cortical hematoma」
は「特発性脳内出血」とも呼称致します。
##4
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」
というタイプの「脳内出血 :intracerebural hematoma:ICH」
は出血に「原因」があります。
「脳内血管腫」或は「アミロイドアンギオパチー」等の
「出血」の原因があります。
#3
##1
だから脳血管障害の患者さんで
脳CTから
「出血性脳血管障害」であり
「脳内出血 :intracerebural hematoma:ICH」であり
さらに「皮質下出血:sub-cortical hematoma」であった場合
には
必ずや
「本物の脳血管撮影」による「出血源」の確認
が必要になります。
##2
脳血管障害で「脳内出血 :intracerebural hematoma:ICH」
が脳CTで明らかになった場合は
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」の場合
「脳神経外科専門医先生」の受け持ちに転じ
「本物の脳血管撮影」は必ずや実施されます。
##3
##2の「結果」「本物の脳血管撮影」にて
「血管腫」が「破壊出血」により造影されない
場合もままあります。
##4
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
「御父様」がおこされた
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」の
「本物の脳血管撮影」の所見=>
「血管腫」があったのか否か・などの
御記載が見当たりません。
##5
不思議です。
#4
##1
「出血性脳血管障害」の「脳内出血 :intracerebural hematoma:ICH」
の一種である「皮質下出血:sub-cortical hematoma」
は「「皮質=灰白質」=「神経細胞」に障害
を与えやすいために「症候性痙攣発作」を
起しやすいのです。
##2
「脳内出血 :intracerebural hematoma:ICH」でも
一般論では直径3cmくらいのものは
「脳神経外科専門医」による血腫摘出にいたらず
「開頭手術」がおこなわれないことがあります。
##3
この場合
「脳内出血 :intracerebural hematoma:ICH」の
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」以外の
「被殻出血:putaminal hemorrhage」
或は「「視床出血:thaklamic hemorrhage」
の場合は「脳深部」=「「脳内皮質(白質=神経線維)」
の損傷ですから
「皮質=灰白質」=「神経細胞」とは離れており
「症候性痙攣発作」はおこすことは稀です。
##4
「被殻出血:putaminal hemorrhage」や
「視床出血:thaklamic hemorrhage」でも血腫が大きく
「脳神経外科専門医」による「開頭手術」が行われた場合は
「脳表:のうひょう」の「皮質=灰白質」=「神経細胞」に
「手術」による損傷が発生しますから
術後「抗痙攣薬:anti-convulsant」の投与が術後「2年間」
は必要です。
#5
##
「御父様」の場合「開頭手術」が行われたのか否かの
御記載がありません。
##2
##1に関しては
「開頭手術」は行われなかったと仮定して
「御父様」の血腫の「大きさ」が小さくて直径3cm位下であった
と仮定致します。
##3
「5月末に右側頭葉皮質下出血で入院しました。
麻痺はひどくなく半盲が残るくらいといわれました。」
=>
からは
側頭葉の「マイヤーズ・ループ」の障害から
「上四分の1半盲」のことを意味されていると考えます。
また
側頭葉の「皮質下出血:sub-cortical hematoma」
で小さいものであれば「運動麻痺」には到りません。
##4
けれども
「が1ヶ月たっても点滴で、
その後転院先を探し転院してからは離乳食になりました。」
という
「症状・症候」は
「御父様」が小さな側頭葉の
「出血性脳血管障害」で
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」であった場合には
通常は起こりえません。
#6
##1
「転院数日前の夜てんかんを起こしたと言われ
アルビチアンを投与されました。
しかし、てんかんの症状もみられず
転院先の脳波でもてんかんかは微妙だと
言われました。
抗てんかん剤をやめるわけにはいかないのでしょうか。」
との事です。
##2
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」で
「症候性痙攣発作」を起すことは稀ならず御座います。
##3
また
「転院先の脳波でもてんかんかは微妙だと
言われました。」との事です。
=>
この状況がさまざまに考えても理解が困難です。
##4
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」であり
「症候性痙攣発作」の「エピソード」があれば
「脳波検査所見」で「「異常所見」無し」とはでない
と考えます。
#7
##1
「てんかんでないのに打ってるとと考えると不安です。
いまだに目をよく閉じ、ぼーっとしてる事のほうが多く、
この点も不安です。
時間が解決するのでしょうか。
なにか改善策はないのでしょうか。
薬はグリセレブから
転院後はグリセノールに変わりました。」
との事です。
##2
「グリセオール:gliceol」静脈投与が
一番理解が困難です。
##3
「リセレブから
転院後はグリセノールに変わりました。」は
「製薬会社」がことなるだけで
同じ薬剤です
「グリセノール」という薬剤はありませんから
「グリセオール:gliceol」のことをいわれている
と解釈致します。
##4
「グリセオール:gliceol」静脈投与は
「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」或は
「脳内出血 :intracerebural hematoma:ICH」にて
脳圧亢進の場合に用いられる
「高浸透圧利尿剤:こうしんとうあつりにょうざい」です。
##5
「グリセオール:gliceol」静脈投与が行われている
ということは「御父様」に
「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」があり
「頭蓋内圧亢進」があるということです。
##6
「5月末に右側頭葉皮質下出血で入院しました。
麻痺はひどくなく半盲が残るくらいといわれました。」
から
「2ヶ月弱」「御父様」が
「グリセオール:gliceol」静脈投与を継続
されるということは
「ずっと「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」或は
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」の血腫量
が多く
「頭蓋内圧亢進」が「ある」と「診断」されている
ということです。
##5
「グリセオール:gliceol」静脈投与という
のは「ある意味では脳血管障害の場合急性期と同じ
状態」が続いているという意味です。
##6
=>#8
#8
##1
「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」があり
「頭蓋内圧亢進」が存続すれば。
=>##2
##2
当然
「が1ヶ月たっても点滴で、
その後転院先を探し転院してからは離乳食になりました。」+
「いまだに目をよく閉じ、ぼーっとしてる事のほうが多く、
この点も不安です。」
という「症状・症候」になります。
##3
お受けもちの先生も一生懸命でいらっしゃることよく分かります。
##4
けれども
「御父様」は
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」だから
「出血源」の探索のために
元来「脳神経外科専門医」による「本物の脳血管撮影」が
必要であった状態ではなかったのか。
「結果論」「手術」が必要であった状態ではなかったのか・
が心配です。
#9結論:
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。
##2
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」は
他の「脳内出血 :intracerebural hematoma:ICH」
とは異なり「出血源」となる「血管腫」が
ある。
(一昔前はアミロイドアンギオパチーが原因などと
教科書にはよく書かれていました)
##3
##2のためにまた
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」は
文字通り「脳表:のうひょう」である「皮質=灰白質」=「神経細胞」
に近く
「皮質=灰白質」=「神経細胞」に障害から
「症候性痙攣発作」を起しやすい。
通常は
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」
直後から「抗痙攣薬:anti-convulsant」は投与されます。
##4
入院してから
2ヶ月弱も
「グリセオール:gliceol」静脈投与=
「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」による
「頭蓋内圧亢進」がある・
が必要ならば
「脳神経外科専門医」による「外科的アプローチ」
が必要なのではないでしょうか。
##5
当初より
お受けもちの先生も一生懸命でいらっしゃることよく分かります。
##6
なにか一連の「診断戦略」及び「治療戦略」に関して
「皮質下出血:sub-cortical hematoma」の患者さん
に対するものとは思えないものを感じます。
##7
このような御回答しか出来ません。申し訳ございません。
この御回答が何がしかのお役に立てば何よりで御座います。
上記あくまでもご参考にまでお留めおき
ご無事にされて下さいませ。
何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。
[2007年7月12日 17時42分14秒]
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