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335記事タイトル:山本クリニック脳神経外科・神経内科相談掲示板最近の話題335
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脳腫瘍に「罹患」された患者さんご自身の身になって考える。
腰痛の専門医。
「機頭痛系の疾患」で「能性頭痛」には「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」等
があります。
脳神経外科・神経内科・内科・外科・形成外科・美容外科
東京都 世田谷区 山本クリニック 山本博昭(脳神経外科専門医・外科認定医)
電話03-3300-1126 FAX03-3300-3388
住所 〒157-0062 東京都 世田谷区 南烏山 3-23-1
京王線芦花公園駅(ろかこうえん)北口下車1分・旧甲州街道沿い
旧甲州街道北側沿い山本クリニックビル(茶色の6階建て)の
1-2階が病院です。
病院前に専用駐車場8台分あり
http://www5b.biglobe.ne.jp/~mddmsci
hiroakiyamamoto@mtg.biglobe.ne.jp
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++
●御相談タイトル:【 義父が一年半前に脳腫瘍 グリオーマと診断。脳ヘルニアが心配です。 】
--------------------------------------------------------------------------
回答者:
東京都 世田谷区 山本クリニック 山本博昭(脳神経外科専門医・外科認定医)
これはさぞかし御心配であろうと存じます。
御気持ちは大変よく判ります。
止むを得ずも
「本人(私からしたら義理の父になります)」の
1・年齢 の御記載が無く御回答限界でもあるのです。
けれども「可能な範囲内で」御回答を試みます。
++++++++++++++++++++++
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の患者さん
のことを考えるとき。
重要な「変数」=「parameter:パラメター」
があります。
これは必ずや「お受けもちの先生」から
「御家族」に伝達される情報です。
「脳神経外科専門医先生」の「お受けもちの先生」の
義務とされます。
##2
1・
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の発生「部位」
と「大きさ」
2・
「開頭手術」による「glioma(グリオーマ):神経膠腫」
の「「病理組織検査診断」の結果
(例えば「星細胞膠腫:アストロサイトーマ:astrocytoma」
とか
「オリゴデンドログリオーマ:乏突起神経膠腫:oligodendroglioma」
とか)
そして
3・
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の
「神経病理組織学的診断」に基づく
「悪性度」=
Gr(グレード)
(「Gr(グレード)」 1-4という「悪性度」の分類が御座います。 )
4・
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の
「開頭手術」「摘出手術」による摘出の度合い
「肉眼的には全摘できた」とか「10%とれなかった」
とかです。
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の患者さん
のことを考えるとき。
重要な「変数」=「parameter:パラメター」
があります。
これは必ずや「お受けもちの先生」から
「御家族」に伝達される情報です。
御相談者の御相談内容要旨御記載には
この
極めて重要な
「脳神経外科専門医先生」が「glioma(グリオーマ):神経膠腫」
の患者さんの「御家族」に伝達される「取り決め」
の情報が「すべからく欠落」しています。
「御義父様」であれば御相談者も
同席されていたか或は「御家族」から
「情報伝達がなされているはず」なのですが
不思議です。
下記に順を追って御回答致します。
++++++++++++++++++++++
#1
##1
「39才 男性
お忙しいところ、すみません
失礼かと思いますが相談させて頂きたいと思います。
相談内容は
一年半前に脳腫瘍 グリオーマと診断されました。
その后 放射線や化学療法を数カ月に渡り治療していき、
画像上はあまり改善は見られませんでしたが、
現在は 日々リハビリをがんばり自立した生活をすごすことが
できています。
そこで、相談です、
現在は 本人(私からしたら義理の父になります)の希望で、
放射線治療や化学療法は、その後せず、
毎日リハビリを行っているのですが、 私は今の良い状態が
少しでも長く続いてくれることを願いながら、
もし脳ヘルニアになったらどうしようと不安な気持ちもあります。
そこで、脳圧をさげる効果のある、
グリセオールという点滴を定期的に行うことで、
今の状態を少しでも維持できるのでは、と思ったのですが、
どうなのでしょうか?
また、他に何か良い方法があれば教えていただきたいと思います。
お忙しいなか、少しでも私の悩みに耳を傾けて頂いたことに
感謝します。
ありがとうございます。」
との事です。
#2
##1
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の患者さん
のことを考えるとき。
重要な「変数」=「parameter:パラメター」
があります。
これは必ずや「お受けもちの先生」から
「御家族」に伝達される情報です。
##2
1・
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の発生「部位」
と「大きさ」
2・
「開頭手術」による「glioma(グリオーマ):神経膠腫」
の「「病理組織検査診断」の結果
(例えば「星細胞膠腫:アストロサイトーマ:astrocytoma」
とか
「オリゴデンドログリオーマ:乏突起神経膠腫:oligodendroglioma」
とか)
そして
3・
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の
「神経病理組織学的診断」に基づく
「悪性度」=
Gr(グレード)
(「Gr(グレード)」 1-4という「悪性度」の分類が御座います。 )
4・
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の
「開頭手術」「摘出手術」による摘出の度合い
「肉眼的には全摘できた」とか「10%とれなかった」
とかです。
##4
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の患者さん
のことを考えるとき。
重要な「変数」=「parameter:パラメター」
があります。
これは必ずや「お受けもちの先生」から
「御家族」に伝達される情報です。
##5
御相談者の御相談内容要旨御記載には
この
極めて重要な
「脳神経外科専門医先生」が「glioma(グリオーマ):神経膠腫」
の患者さんの「御家族」に伝達される「取り決め」
の情報が「すべからく欠落」しています。
##6
「御義父様」であれば御相談者も
同席されていたか或は「御家族」から
「情報伝達がなされているはず」なのですが
不思議です。
#3
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
「御義父様」が
1・5年前に
「開頭手術」等にて「glioma(グリオーマ):神経膠腫」
と診断されたことは判りました。
##2
また
「その后 放射線や化学療法を数カ月に渡り治療していき、
画像上はあまり改善は見られませんでした」
との事です。
=>
「画像診断」で「改善はみられなかった」は
術後にまだ「glioma(グリオーマ):神経膠腫」が
残っている状態と考えられますが。
「開頭手術」による「摘出手術」で
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」をどのくらい
摘出したのか。
=>
「生検:バイオプシー」のみなのか。
##3
「「その后 放射線や化学療法を数カ月に渡り治療していき、
画像上はあまり改善は見られませんでした」
であれば
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」は「大きくなっていない」
わけですから。
##4
「放射線治療」+「化学療法(抗癌剤治療)」の
奏功は
1・CR:complete remission:完全寛解
2・PR:Partial Remission:部分寛解
3・NC:No Chnge:不変
4・PD:Progressive desease:進行性
と
「4種類」ありますが
「3・NC:No Chnge:不変」以上
は「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の場合
「欧米」では「有効」とみなします。
##5
だから
「放射線治療」+「化学療法(抗癌剤治療)」を
「集学的治療:multi-disciplinary therapy」とされ
行われて宜しかったです。
#4
##1
「 私は今の良い状態が
少しでも長く続いてくれることを願いながら、
もし脳ヘルニアになったらどうしようと不安な気持ちもあります。
そこで、脳圧をさげる効果のある、
グリセオールという点滴を定期的に行うことで、
今の状態を少しでも維持できるのでは、と思ったのですが、
どうなのでしょうか?」
との事です。
##2
御相談者の御相談内容要旨御記載から
理解する限り
「御義父様」に今現在
「頭蓋内圧亢進」の「症状・症候」はありません。
##3
多くの場合に「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の
患者さんの「頭蓋内圧亢進」は
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の存在による
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」周囲の
或は場合により「悪性度」=Gr(グレード)が悪ければ
「神経頭蓋」全体の「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」
によるものです。
##4
「頭蓋内圧亢進」を示唆する「症状・症候」は
幸にも
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
見受けられません。
#5
##1
「少しでも長く続いてくれることを願いながら、
もし脳ヘルニアになったらどうしようと不安な気持ちもあります。」
との事です。
##2
「脳ヘルニア」には
いずれも「頭蓋内圧亢進」を基盤として
概ね
1・「テント切痕ヘルニア」
2・「大孔ヘルニア」
3・「大脳鎌ヘルニア」
4・「上行性ヘルニア:upward-herniation」
の「4「病態」」が御座います。
##3
「頭蓋内圧亢進」がないから自宅にいらっしゃれるわけです。
##4
「頭蓋内圧亢進」が始まれば
1・年齢 にもよりますが成人の場合
は「小児原発性悪性脳腫瘍」と異なり
急激に
「テント切痕ヘルニア」「大孔ヘルニア」「大脳鎌ヘルニア」
を起すわけではありません。
##5
但し「脳幹部」「小脳」の「glioma(グリオーマ):神経膠腫」
の場合は
「上行性ヘルニア:upward-herniation」を起した場合
「急性水頭症発作:acute hydrocephalic attack」をおこして
緊急にも呼吸が停止することがありえます。
##6
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
「脳幹部」「小脳」の「glioma(グリオーマ):神経膠腫」を
示唆する「症状・症候」の御記載はありません。
#6
##1
「もし脳ヘルニアになったらどうしようと不安な気持ちもあります。
そこで、脳圧をさげる効果のある、
グリセオールという点滴を定期的に行うことで、
今の状態を少しでも維持できるのでは、と思ったのですが、
どうなのでしょうか?」
との事です。
##2
「グリセオール:gliceol」静脈投与は
「高浸透圧利尿剤:こうしんとうあつりにょうざい」
です。
「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」の改善に
用いられます。
##3
今現在「御義父様」に「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」
による「頭蓋内圧亢進」があれば
「グリセオール:gliceol」静脈投与が必要になります。
##4
もしも##3であれば「御義父様」はもう既に
「意識障害」があり自宅にいられるわけが
ありえません。
##5
そして
「高浸透圧利尿剤:こうしんとうあつりにょうざい」
である
「グリセオール:gliceol」静脈投与を
「頭蓋内圧亢進」がないかたに行ったらば
「水・電解質バランス」の崩壊をおこし大変なことになります。
=>#7
#7
##1
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の
「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」による
「頭蓋内圧亢進」は慢性的にくることが多いものです。
勿論「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の発生「部位」
と「大きさ」にもよります。
##2
因みに
「慢性頭蓋内圧亢進」の「3徴候」。
「頭痛」+「悪心・嘔吐」+「鬱血乳頭:うっけつにゅとう」の存在。
です。
##3
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の場合は
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の「大きさ」よりも
「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」により
「頭蓋内圧亢進」が発生致します。
##4
高浸透圧利尿剤である
「グリセオール:gliceol」静脈投与」
が必要な状況であれば・
或は「少しでも「グリセオール:gliceol」静脈投与を
必要とする徴候があれば」。
=>##5
##5
「お受けもちの先生」が絶対に自宅静養を
許可しないはずです。
##6
「脳浮腫:brain edema:のうふしゅ」の少ない
「おとなしい「glioma(グリオーマ):神経膠腫」」と
考えられます。
けれどもなんともいえません。
#8
##1
自宅から通院で
「グリセオール:gliceol」静脈投与のために
病院に通院する意味は全くないし事例もあるはずが
ありません。
##2
適切な表現が思い浮かばないのですが
心肺停止の可能性があるから
「定期的に心臓マッサージをする」という事例
(ありえません)に
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
類似致します。
##3
因みに
また
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」術後には
必ずや
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」は「暴れますから」
病院では
「グリセオール:gliceol」静脈投与がいっていたはずです。
##4
結論として
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の患者さんの
慢性期に
「グリセオール:gliceol」静脈投与が必要な事態が発生すれば
これは「大変な状態」ということになります。
#9結論:
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。
##2
上記御回答致しました。
##3
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の患者さん
のことを考えるとき。
重要な「変数」=「parameter:パラメター」
があります。
これは必ずや「お受けもちの先生」から
「御家族」に伝達される情報です。
「脳神経外科専門医先生」の「お受けもちの先生」の
義務とされます。
##2
1・
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の発生「部位」
と「大きさ」
2・
「開頭手術」による「glioma(グリオーマ):神経膠腫」
の「「病理組織検査診断」の結果
(例えば「星細胞膠腫:アストロサイトーマ:astrocytoma」
とか
「オリゴデンドログリオーマ:乏突起神経膠腫:oligodendroglioma」
とか)
そして
3・
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の
「神経病理組織学的診断」に基づく
「悪性度」=
Gr(グレード)
(「Gr(グレード)」 1-4という「悪性度」の分類が御座います。 )
4・
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の
「開頭手術」「摘出手術」による摘出の度合い
「肉眼的には全摘できた」とか「10%とれなかった」
とかです。
「glioma(グリオーマ):神経膠腫」の患者さん
のことを考えるとき。
重要な「変数」=「parameter:パラメター」
があります。
これは必ずや「お受けもちの先生」から
「御家族」に伝達される情報です。
御相談者の御相談内容要旨御記載には
この
極めて重要な
「脳神経外科専門医先生」が「glioma(グリオーマ):神経膠腫」
の患者さんの「御家族」に伝達される「取り決め」
の情報が「すべからく欠落」しています。
##3
##2より適切な御回答には到らなかったかもしれません。
##4
何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。
上記あくまでもご参考にまでお留めおき
ご無事にされて下さいませ。
何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。
[2007年5月31日 13時7分7秒]
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