「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」

ご心配なことと存じます。

御相談者は「中枢神経系専門医」をこれまで御受診されたことは
御座いませんでしtでしょうか。

御相談者は明らかに「動眼神経麻痺」をお持ちでいらっしゃいます。

この「左目周囲の疼痛」或いは「頭痛」+「動眼神経麻痺」を
発する「症状・症候」或いは「病態」は
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」として
余りにも有名で御座います。

下記に順を追って御回答致します。


#1
##1
「三十歳女性です。五歳頃から吐き気を伴うガンガンした頭痛と左目の異常に
悩んでいます。
頭痛は大体月に一度起こり、左目上付近が強く痛む気がします。
目の異常は、頭痛がおきて数日後から始まり、以前は一年に一度悪くなるかどうか
でしたが、最近は毎月で、左瞼が下がり、物が二重に見え、眼帯なしではつらい状態
です。以前から脳腫瘍を疑われ検査しましたが異常なしです。
左目は現在は普段から瞳孔が大きく、上方向が二重にみえています。
原因と対処法など教えてください。」
との事です。



#2
##1
御相談者の御記載内容からは典型的な
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」で御座います。

##2
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」について
#3に簡単にご説明致します。




#3
##1
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」は
「定義」としては
「眼窩部疼痛」=「「三叉神経第1枝」部位よりの疼痛」+「動眼神経麻痺」
が発生するものです。

##2
判りやすくいえば「動眼神経麻痺」+「動眼神経麻痺を起こした側の頭痛」
で御座います。

##3
「動眼神経麻痺」の「臨床神経診断学的「症状・症候」」としては
「眼嶮下垂」・「眼球運動麻痺」で御座います。

##4
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」は
このように「頭痛」+「動眼神経麻痺」で発症する「病態」で御座います。

##5
再発を繰り返すことでも有名ですが
「副腎皮質ホルモン」=「ステロイド」により著明に軽快致します。

##6
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」という「病名」をつけ
「病態」として確率されたのは「Smith & Taxdal:1966」の業績で
御座います。

##7
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」と同じ「病態」は
さまざまに呼称されることが御座います。

Orbital periostitis orfibrosis
Cavernous sinus syndrome
Orbital apex and sphenoid fissure syndrome
Superior orbital fissure syndrome
Parasellar syndrome
など。



#4
##1
御相談者の「症状・症候」は
「脳神経外科専門医」であれば必ずや診療に携わる
「病態」で御座います。

##2
9-75歳までの患者さんに発症しある日突然に
「うがつような」「眼窩部疼痛」=
「boring pein:ボーリング・ペイン」で発症します。

##3
「うがつような痛み」なので「boring pein:ボーリング・ペイン」
と呼称いたします。

##4
この「うがつような痛み」があだとなり「群発頭痛」「偏頭痛」
ととよく間違えられます。

##5
軽微であろうとも「動眼神経麻痺」の存在が決めて。

##6
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」
だけれども「偏頭痛」「群発頭痛」と間違われて
「物が2つ」にみえる患者さん或は「眼にくる」
患者さんは稀ならずいらっしゃいます。



##7
引き続いて「眼球運動障害」=
「動眼神経麻痺」或いは・及び「外転神経麻痺」
が発症いたします。

##8
「内眼筋:ないがんきん」は侵されません。

##9
「副腎皮質ホルモン」=「ステロイド」の
「投与:prednisolone 60mg/日」
にて48時間以内に「症状・症候」の改善が著明に認められるものです。

##10
「治療」されない限りは「症状・症候」は
数日から数ヶ月続きおさまりますがまた再発いたします。




#5結論:
##1
「原因と対処法など教えてください。」
=>
御相談者の御記載内容からは
典型的な「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」
で御座います。

##2
原因とのことですが。
「海綿静脈洞」の「indorennt:弱い」+「nonspecific:非特異的」な
「inflamation:炎症」による肉芽形成による「部分閉塞」
が「病態」とされています。

##3
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」の「治療戦略」としては
「副腎皮質ホルモン」量投与=prednisolone60mg/日により
48時間以内に「劇的」に軽快致します。

##4
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」
で御座います。

##5
なかなか聞きなれない病名かもしれません。
けれども「脳神経外科専門医先生」なら
だれでも知る「病態」。

##6
お大変であろうと存じます。
「boring pein:ボーリング・ペイン」のために
「トロサ-ハント症候群:Tolosa-Hunt syndrome」
はよく「偏頭痛」「群発頭痛」と間違われます。

##7
けれども「明確な「動眼神経麻痺」の存在」から
「病態診断」は困難ではありません。

##8
一刻も早い御相談者の「症状・症候」の寛解の得られる
ことを試より御祈り申し上げます。






上記あくまでもご参考にまでお留めおき
ご無事にお大事にされて下さいませ。




何卒にお大事にされてお健やかにされてくださいませ。




何卒にお大事にされてお健やかにされてくださいませ。

[2004年7月1日 9時24分4秒]


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お名前: アイス   
三十歳女性です。五歳頃から吐き気を伴うガンガンした頭痛と左目の異常に
悩んでいます。
頭痛は大体月に一度起こり、左目上付近が強く痛む気がします。
目の異常は、頭痛がおきて数日後から始まり、以前は一年に一度悪くなるかどうか
でしたが、最近は毎月で、左瞼が下がり、物が二重に見え、眼帯なしではつらい状態
です。以前から脳腫瘍を疑われ検査しましたが異常なしです。
左目は現在は普段から瞳孔が大きく、上方向が二重にみえています。
原因と対処法など教えてください。

[2004年6月30日 21時13分1秒]
by mmdmsci | 2004-07-01 15:03 | 脳神経外科


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