「脊髄刺激:spinal cord stimuklation:SCS」=「後索刺激:dorsal colum stimulation:DCS」

ご心配なことと存じます。

大変に的を射られた御相談でございます。


お兄様に対する「御家族」ならではの「深い御愛情」
があられて初めてうまれる御相談であると
私は考えます。


下記に順を追って御回答致しますが
「座位保持不能」=「遷延性意識障害」とまずは
お考えになられて下さい。

#1
##1
「僕の兄は二年前に脳幹出血(中脳)を発症して現在33です。
多くの後遺症が有りますが、〔座位保持不能〕という後遺症が有ります。
率直に聞きますと〔座位保持不能〕は、リハビリで
解消するものなのでしょうか?
現在は、ベッドサイドで座る訓練をさせています。
御回答宜しく御願いします。」
との事です。


#2
##1
「31歳での「中脳出血」」から「2年」が経過されています。

##2
「31歳」での「脳幹部出血」≒「「中脳出血」とのことですから
「出血源」は「中枢神経系血管腫」でありおそらくは
「血管腫」としては「毛細血管拡張症」が脳幹部におありになったのでしょう。

##3
「多くの後遺症が有りますが、〔座位保持不能〕という後遺症が有ります。」
との事です。





#3
##1
「座位保持不能」という「事項」は「病名」でも「疾患名」でも「病態」
でも御座いません。

##2
「座位保持不能」ということは「裏返せば」。
「座位保持不能」=「寝たきり」ということですから。

##3
「中脳出血」による「運動機能」や「脳幹部機能」の
「局所臨床神経診断学」上の「症状・症候」と考える
べきではなく。

##4
「脳幹部出血」である「中脳出血」による
「遷延性意識障害」から派生する「座位保持不能」と
考えられるべきです。



#4
##1
「33歳」とお若く「2年間」経過されて「落ち着くべき「症状・症候」」
は落ち着かれていると存じます。

##2
「〔座位保持不能〕は、リハビリで解消するものなのでしょうか?」
との事ですが
これを
「「遷延性意識障害」はリハビリで解消するものなのでしょうか?」
という御相談に御相談者の御相談は「言葉をかえて」
考えられるべきであろうと今の私は考えます。

##3
「遷延性意識障害」にはご家族の「肉声」での刺激や患者さんの
趣味とされていたものの刺激などがリハビリと同時に
いうまでもなく必要なもので御座います。



#5
##1
「遷延性意識障害」の患者さんのために
「脊髄刺激:spinal cord stimuklation:SCS」という
テクニックが御座います。


##2
「脊髄刺激:spinal cord stimuklation:SCS」
或は
後索刺激:dorsal colum stimulation:DCS」という
「遷延性意識障害」の患者さんに用いる手法が御座います。

##3
これは
「脊髄刺激:spinal cord stimuklation:SCS」電極を
顕微鏡手術で脊髄に埋込み「ペースメーカー」のような小さな機械
を体内に埋込み「無線リモートコントロール」で「体外」より
「脊髄刺激:spinal cord stimuklation:SCS」を行うものです。

##4
私はこの「脊髄刺激:spinal cord stimuklation:SCS」
或は
後索刺激:dorsal colum stimulation:DCS」の
「遷延性意識障害」の患者さんへの「治療戦略」を大変高く
評価しています。

##5
ほぼ「1ヶ月」前に「TV放送」の全国ネットワークで
この「脊髄刺激:spinal cord stimuklation:SCS」が
「ドキュメンタリー」として「放映」されたはずで御座います。



#6結論:
##1
「お受けもちの先生方」も一生懸命でいらっしゃることよく分かります。

##2
「お受けもちの先生」と
「脊髄刺激:spinal cord stimuklation:SCS」=
後索刺激:dorsal colum stimulation:DCS」について
御相談されてみては如何でしょうか。

##3
この「脊髄刺激:spinal cord stimuklation:SCS」=
後索刺激:dorsal colum stimulation:DCS」の装置の
「埋込み」のできる施設は限られていますが
どの都道府県でも可能な御施設はあるはずで御座います。

##4
大学病院の「脳神経外科専門医先生」であればまず
「脊髄刺激:spinal cord stimuklation:SCS」=
後索刺激:dorsal colum stimulation:DCS」の埋込みは
可能と思われて下さい。

##5
一刻も早く御相談者のお兄様の「症状・症候」と「遷延性意識障害」
が寛解される日の来られる事を・
一刻も早いご回復を心より御祈り申し上げます。




上記あくまでもご参考にまでお留めおき
ご無事にされて下さいませ。



何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。







何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。

[2004年6月24日 15時30分8秒]


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お名前: 鈴木健二   
僕の兄は二年前に脳幹出血(中脳)を発症して現在33です。
多くの後遺症が有りますが、〔座位保持不能〕という後遺症が有ります。
率直に聞きますと〔座位保持不能〕は、リハビリで
解消するものなのでしょうか?
現在は、ベッドサイドで座る訓練をさせています。
御回答宜しく御願いします。

[2004年6月24日 14時38分51秒]
by mmdmsci | 2004-06-24 15:47 | 脳神経外科


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