山本クリニック脳神経外科・神経内科相談掲示板最近の話題 259


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259記事タイトル:山本クリニック脳神経外科・神経内科相談掲示板最近の話題259

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脳腫瘍に「罹患」された患者さんご自身の身になって考える。
腰痛の専門医。

「機頭痛系の疾患」で「能性頭痛」には「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」等
があります。

脳神経外科・神経内科・内科・外科・形成外科・美容外科

東京都 世田谷区 山本クリニック 山本博昭(脳神経外科専門医・外科認定医)
電話03-3300-1126 FAX03-3300-3388
住所 〒157-0062 東京都 世田谷区 南烏山 3-23-1

京王線芦花公園駅(ろかこうえん)北口下車1分・旧甲州街道沿い
旧甲州街道北側沿い山本クリニックビル(茶色の6階建て)の
1-2階が病院です。
病院前に専用駐車場8台分あり

http://www5b.biglobe.ne.jp/~mddmsci
hiroakiyamamoto@mtg.biglobe.ne.jp


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●御相談タイトル:【 両脚の足底部の痛み  】

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回答者:
東京都 世田谷区 山本クリニック 山本博昭(脳神経外科専門医・外科認定医)

これはさぞかし御心配であろうと存じます。
御相談者の御気持ちが大変よく判る御相談です。


++++++++++++++++++++
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。

この足底部の「疼痛系の「病態」」は
「知覚異常性大腿神経神経痛」(本当は神経痛ではないのですが)=
「Roth-Bernhartd症候群:ロス・ベルンハルト症候群」=
「meralgia paraesthetica(メラルギア・パレステチカ)」
に「特有なものです。
御相談者は「30歳」でいらっしゃるが高齢の患者さんの
場合「「足底部」に砂利を沢山踏みつけているような「病態」」
へと転じます。

高齢化すると「治療戦略」は不利になります。
正診断率の大変低い「疼痛系の「症状・症候」」でございます。

両側「神経根ブロック」が奏功する「病態」。

これは「骨・皮・筋」の病気ではありません。
「機能性末梢神経障害疼痛」で御座います。

下記に順を追って御回答致します。
++++++++++++++++++++


#1
##1
「30歳、男性です。先生にご相談があります。

(症状)
1年半程前に、歩いている最中に両足の裏に痛みを感じ、
継続して歩くと痛みが増しやがて歩くのが困難程度になりました。

2~3日が経過して、痛みは歩ける程度に落ち着きましたが、」
その痛みが1年半を経過した現在も両足共に続いています。
痛みは歩いていても寝ていても、両足の裏全体に同様にあり、
歩く時間が長いと痛みが増してきます。

ふくらはぎも
強く押したりすることで痛みを感じます。
ふくらはぎをマッサージすると足の裏の
痛みもやや緩和されます。

(対応)
1年半程前、足が痛くなった当時、
整形外科を2~3箇所と内科1箇所
で症状を見て頂きました。

整形外科では足のレントゲンをとりましたが
特に異常はなく、足の裏の筋が痛んでいる(炎症)との診断を受け、
湿布と痛み止めを頂き、あまり歩かず、
足にあった靴を履くようにとの指示を受け
ました。

その後、仕事はデスクワークのため、歩く時間は1日1時間程度、
靴もやわらかいものを履いていますが、痛みは軽減されません。

内科では尿酸値が高いことが原因として投薬を受けました。
その後、尿酸値は下がったものの、痛みの改善はありません。
血液では、その他、コレステロール値が基準値を超えて高く、
血糖値もやや高い状況です。
また、軽い脂肪肝との診断も受けていますが、投薬はありません。

(質問)
1年半の間痛みが続き、
このまま放置しておいても治らないのではと
感じています。

痛みは仕事や日常生活で全く支障がない訳でもありませんので、
取り除きたいのですが、何軒か病院で診察頂き、治らなかったため、
診断科が適切でないのか、また、考えられる病気(原因)について、
お伺いできないでしょうか。

どうぞよろしくお願いいたします。」
との事です。


#2
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。

#2
##1
御相談者の御相談内容からは
「骨・皮・筋」の「病態」或は「内科的な背景要因」
と「症状・症候」は関連が少ないように
考えます。

##2
この「症状・症候」は
「知覚異常性大腿神経神経痛」(本当は神経痛ではないのですが)。

##3
1895年Rothにより「meralgia paraesthetica」
と命名され
Bernhardtにより「外側大腿皮神経パレステジア」
と記載されました。

##4
「知覚異常性大腿神経神経痛」
或はmeralgia paraesthetica(メラルギア・パレステチカ),
 Roth-Bernhartd症候群などと呼称されますが。

##5
本邦ではまず通じません。

##6
「知覚異常性大腿神経神経痛」
(本当は神経痛ではないのですが)
の特徴を#3に記載いたします。


#3
この「腰痛・下肢痛」には特徴が御座います。

##1
「腰痛」を伴い疼痛或は「しびれ感」は
まずは
「大腿外側」から発症するものです。
##2
「膝関節痛」或いは
「更には下肢外側痛或は脹脛痛」として広がります。

##3
この「しびれ感」は「ある朝」或は「就眠時」「就眠中」に
突如として出現することが多いものです。

##4
けれども「運動神経麻痺」は全く伴いません。

##5
「しびれ感」の特徴は
「弱い電気を感じられているビリビリする様な御自覚症状」
と考えます。

##6
「下肢足」の「親指付け根」・「薬指の付け根」・
「踝の上」・「大腿」外側に「しびれ感」「症状・症候」が
あることが多いものです。

##7
下肢「しびれ感」の場合「体重」をかけていると
消失或は著明に軽減致します。

##8
「入浴にて浮力で体重負荷が無く」なると
「症状・症候」は軽減致します。

##9
けれども「浴槽」からでた後に」急激に
「症状・症候」が増悪することが多いものです。

##10
「いすに座ったり」して「体重負荷」が減じると「症状・症候」
は増悪して「足指先端」の「冷痛感」で「激痛」にばけることも
御座います。

##11
下肢のみでなく上枝にもしびれのあることが多いものです。
如何でしょうか。

##12
上枝の「しびれ感」の場合
「手指の親指・人指指(第1・第2指)か
小指・薬指(第4・第5指)」に
絵に書いたような「しびれ」が御座います。

##13
更に上肢の場合
男性が腕時計を眺める上肢の部位にしびれ感があるのが
特徴で御座います

##14
「下肢痛」で「御診断」が付かず苦労される患者さん
が「知覚異常性大腿神経神経痛」では後をたちません。

##15
時として「疼痛性歩行障害」にすら至ります。

##16
「機能性末梢神経障害」であり画像診断には「異常所見」
が得られないため正診断率の大変低い
「疼痛系の「症状・症候」」でございます。

##17
「神経ブロック」或は「神経根ブロック」
或は「硬膜外ブロック」が著効致します。

##18
「症状・症候」のレベルを間違えられて
「おしり=臀部直上」の「ブロック」を施行されることが
稀ならず御座います。

##19
これらの
「経仙骨孔ブロック」或は
「硬膜外ブロック」の「仙骨ブロック」を施行されても
一向に良くなりません。

#4
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
足底部の疼痛或は知覚障害があることが
判ります。
この「症状・症候」は年齢がますにつれ
「「足底部」に小石をたくさん踏みつけているような
「疼痛系の「病態」」」へと変化していきます。

##2
「知覚異常性大腿神経神経痛」
(本当は神経痛ではないのですが)
の典型的な「症状・症候」で御座います。

##3
主役は外側大腿皮神経という有名な「末梢知覚神経」であり
「第2,3腰神経前枝の後部」から発生する
「有名な神経」で御座います。

##4
だから
「末梢神経名称」でいけば
「外側大腿皮神経」が病態の主役であるということになります。

##5
L2神経根といえば
###1
陰部大腿神経
###2
外側大腿皮神経
###3
大腿神経
###4
閉鎖神経の源流です。

##6
「治療戦略」としては
治療法ですが筋肉を柔らかくする即効性・持続性のお薬を内服、
外用薬も用いて場合により神経ブロックを施行いたします。

##7
「神経ブロック」では
「外側大腿皮神経ブロック」

或は
「神経根ブロック」での
「L2神経根神経根ブロック」が著効致します。

##8
「診断科が適切でないのか、また、考えられる病気(原因)について、
お伺いできないでしょうか。」
との事です。
=>##9・10

##9
上記の「神経ブロック」或は「神経根ブロック」による
治療は。


##10
「機能性末梢神経障害疼痛」にお強い「脳神経外科専門医先生」或は
「ペインクリニック専門医先生」が専門ということになります。

#5結論:
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。

##2
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
典型的な
「知覚異常性大腿神経神経痛」(本当は神経痛ではないのですが)
或は
1895年Rothにより「meralgia paraesthetica」と命名されて
Bernhardtにより「外側大腿皮神経パレステジア」と記載された
病態なので御座います。

##3
「CT・MRIやX線撮影などの画像診断」では「異常所見」
が得られないために「機能性末梢神経障害」による
「症状・症候」と呼称されます。

##4
「知覚異常性大腿神経神経痛」(本当は神経痛ではないのですが)=
「meralgia paraesthetica(メラルギア・パレステチカ)」=
「Roth-Bernhartd症候群:ロス・ベルンハルト症候群」の「病態」は
俄かには「診断」がつかず
本邦ではまず通用しません。

##5
しっかり治されるためには「機能性末梢神経障害疼痛」にお強い
「脳神経外科専門医先生」或は「ペインクリニック専門医先生」
を御受診されるのが宜しいと考えます。

##5
但し「脳神経外科専門医先生」或は「ペインクリニック専門医先生」でも
「機能性末梢神経障害疼痛」に苦手な先生もいらっしゃいます。
このことは何卒に御銘記下さいませ。

##6
一刻も早く御相談者の「症状・症候」が寛解される日の来られる事を・
一刻も早いご回復を心より御祈り申し上げます。


上記あくまでもご参考にまでお留めおき
ご無事にされて下さいませ。


何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。

[2006年1月19日 10時37分53秒]
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by mmdmsci | 2006-01-23 11:53


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