「脳梗塞」=脳血栓と脳塞栓

ご心配なことと存じます。
長文の御相談の端橋に御相談者の「苦悩」が読み取れます。


#1
##1
「私は年齢39歳の男です。
何かしらのアドバイスが頂ければ幸いと思い書き込みます。

経緯と経過:
昨年3月初旬に脳梗塞であると判明。入院するような程度でない
との診断で5月頃までは自宅療養、その後会社復帰する。
最初の2週間程度は眼科で診断を受ける。結果、問題ないとの
診断で神経内科に移され診断を開始。不調を訴えて2週間後に
脳梗塞であることがわかる。
その後、神経内科で心臓、脳の検査等により経過観察する。
血圧が高めなことからバイアスピリン、ノルバスクを服用し、
経過観察を続ける。
10月のCT検査の結果、梗塞を起こした部位が安定しているとの
診断結果により治療を終了。
現在、循環器系の内科で血圧の治療中。
バイアスピリン、ノルバスクを服用中。

部位:
正面を向いて右側後頭部の視野を司る部分。

現状:
軽度の頭痛、頭のふらつきがある。
神経内科での経過観察時にも頭痛、ふらつきを感じていたが、
脳梗塞とは直接的な関係がないとの診断で、特に対処は無し。

相談事項:
上記のような内容で、一年経過した現状でも頭痛、ふらつきを
感じることがあります。脳梗塞の後遺症として、このような
症状が考えられることはないのでしょうか。
頭のふらつきについては現在通院中の内科で、血圧治療のために
投与を受けているノルバスクを5mgのタブレットから
2.5mgのタブレットに替えてもらった際に、多少落ち着いた
経緯があります。
しかし、ふらつきは現状でもあり、とても心配な状況です。
脳梗塞は繰り返し生じる病気でしょうか。
また、このような状況は治療が必要な状況と考えられますか。


以下、参考のため、最初に不調を訴えた当初の状況を書きます。
昨年3月初旬(金曜日)、会社の歓迎会に出席し、そのときのこと。
殆んどアルコールを飲んでもいないにも関わらず、油汗が出始め、
突然気分が悪くなり、同時に頭も痛くなり、とにかく寝ていました。
たぶんこれが最初の状態と思います。
帰り道でのこと、頭は痛いけど、とりあえず普通に歩けましたので、
徒歩、電車で帰宅しました。このとき、例えば階段がある場所では、
なぜか足を踏み出すことに躊躇します。怖くてしかたありません。
段差が見えているのですが、高さの感覚が判断できません。判断に
時間がかかります。それでもなんとか家に戻りました。
今度は時計を見ると針が指している場所はわかるのですが、
それが何時であるのか、判断出来ない状態でした。判断できるまで
何十秒かの時間が必要でした。
あくる日の土曜、日曜と二日酔いのような頭痛があったのですが、
どうしたものかと思いながらもそのまま普通に生活をしていました。
月曜日の朝、やはりおかしいのではじめて医者に行きました。
まずは目を疑い検査を開始しましたが問題は見られませんでした。
結果が出るまでおよそ一週間です。
この後、神経内科に回され、MRIをとりました。
この間、頭痛の方は殆んど無くなり、見ているものの判断の鈍さの
症状だけが残りました。
MRIの結果、脳梗塞であるとわかるまでに二週間弱かかりました。
結局のところ原因は掴めませんでしたが、推測するに血圧が高め、
最近の仕事状況からとてもストレスを受けていたことが、
原因の一つではないかとコメントがありました。

以上、長い文章になってしまいましたが、何かしらのコメントを
頂けると幸いです。どうぞ宜しくお願いします。」
との事です。



#2
##1
「脳梗塞」には大分類して「2種類」御座います。
##2
###1
脳動脈硬化症に「血栓」ができて「虚血性脳血管障害」
これを「脳血栓」による「脳梗塞」と呼称いたします。
###2
多臓器から「塞栓」が飛んで「虚血性脳血管障害」。
これを「塞栓」による「脳梗塞」・「脳塞栓」と呼称いたします。

##2
通常御相談者の御年齢では「脳動脈硬化症」・「脳血栓」には
お若すぎる気が致します。

##3
「脳梗塞」で「脳血栓」が起こる部位は通常「前方還流系」
即ち「内頚動脈からの枝」の部位が圧倒的に多いものです。

##4
一方「塞栓」による「脳梗塞」・「脳塞栓」が発生する
「中枢神経系」の部位は「後方還流系」すなわち
「大脳レベル」では「後大脳動脈」の還流する「部位」が
圧倒的に多いものです。




#3
##1
「虚血性脳血管障害」特に「脳梗塞」の場合
「臨床神経学」で「症状・症候」がでていても
画像診断が可能な「病巣」が形成されるまで2-3日の
経過が必要なことが多いものです。


##2
よりまして「脳血管障害」が疑われる患者さんの場合は
「症状・症候」の「急性発症」にて判断がつきますが
画像診断=脳CT・MRIで「病巣」が「出血性脳血管障害」
の場合には「即に診断がつきますが」
「出血性脳血管障害」ではなく「虚血性脳血管障害」とりわけ
「脳梗塞」らしい場合は「脳CT」の追跡検査が必要になります。



#4
##1
御相談者の御相談内容からは
「正面を向いて右側後頭部の視野を司る部分。」の「脳梗塞」
と「御診断」を受けられたようで御座います。

##2
この「後方還流系」=「大脳では「後大脳動脈」」の部位には
「塞栓」による「脳梗塞」=「脳塞栓(のうそくせん)」が
頻度高いことは上記致しました。

##3
「脳動脈硬化症」=>「脳血栓」で「脳梗塞」が
「後方還流系」即ち「後大脳動脈」領域に「選択的」に
発生することは「むしろ稀」なので。

##4
御相談者の御相談内容からは
御相談者の「虚血性脳血管障害」=「脳梗塞」は
「塞栓」による「脳梗塞」=「脳塞栓(のうそくせん)」の
可能性が高いと「推測」されます。

##5
「塞栓」による「脳梗塞」=「脳塞栓(のうそくせん)」
の「原因疾患」として最も頻度の高いものは
「心房細動」即ち「心房細動」による「左房血栓」の「「中枢神経系」
への「飛来」によるもので御座います。




#5
##1
止むを獲ずも
御相談者の御相談内容からは御記載がないものは
###1
「本物の脳血管撮影」の施行の有無と結果
###2
「心房細動」など「心電図」検査の結果或は
「心房細動」を惹起する「後天性弁膜症」「その他疾患」の
「御診断」について
###3
その他

で御座います。

##2
「後大脳動脈」の還流する後頭葉の「area17:ブロードマン17野」
は「視覚中枢」ですから。

##3
後頭葉の「後大脳動脈」領域が「脳血管障害」その他
ここが傷害されると「障害側」と「反対側」の視野が「縦半分」
「消失」する「同名性半盲(どうめいせいはんもう)」
という特徴ある「視野障害」が発生いたします。

##4
御相談者の御相談内容を熟読させていただきましたが
やはり御相談者の「症状・症候」は「同名性半盲」
で御座います。



#6
##1
「塞栓」による「脳梗塞」=「脳塞栓(のうそくせん)」
の場合「症状・症候」が確立されるまでにも時間がかかります。

##2
さらに画像診断が可能になるまでにも時間がかかります。

##3
だから「虚血性脳血管障害」と「臨床神経学」から診断した場合
は脳CT・MRIの「追跡経過観察」がはじまります。







#7結論:
##1
「MRIの結果、脳梗塞であるとわかるまでに二週間弱かかりました。
結局のところ原因は掴めませんでしたが、推測するに血圧が高め、
最近の仕事状況からとてもストレスを受けていたことが、
原因の一つではないかとコメントがありました。」
との事です。


##2
お受けもちの先生も一生懸命でいらっしゃったことと存じます。


##3
御相談者の御相談内容からは
「虚血性脳血管障害」とりわけ
「塞栓」による「脳梗塞」=「脳塞栓(のうそくせん)」
の可能性が示唆されます。

##4
「心原性」の「不整脈」として「心房細動」が
「塞栓」による「脳梗塞」=「脳塞栓(のうそくせん)」を
惹起いたします。

##5
「塞栓」による「脳梗塞」=「脳塞栓(のうそくせん)」
の場合「心房細動」が「一過性心房細動」がない場合が多いものです。

##6
「循環器内科専門医先生」も併診されて今後の
「シャワーリング」=「再発作」の予防のためにも
循環器「病態」を詳細に精査されておいたほうが
宜しかろうと今の私は考えます。


##7
的外れなことを申し上げたかもしれません。
けれどもご参考になれば何よりで御座います。


##8
何卒にお大事にされてくださいませ。




上記あくまでもご参考にまでお留めおき
ご無事にされて下さいませ。





何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。





何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。

[2004年3月20日 6時30分5秒]


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お名前: MAK   
私は年齢39歳の男です。
何かしらのアドバイスが頂ければ幸いと思い書き込みます。

経緯と経過:
昨年3月初旬に脳梗塞であると判明。入院するような程度でない
との診断で5月頃までは自宅療養、その後会社復帰する。
最初の2週間程度は眼科で診断を受ける。結果、問題ないとの
診断で神経内科に移され診断を開始。不調を訴えて2週間後に
脳梗塞であることがわかる。
その後、神経内科で心臓、脳の検査等により経過観察する。
血圧が高めなことからバイアスピリン、ノルバスクを服用し、
経過観察を続ける。
10月のCT検査の結果、梗塞を起こした部位が安定しているとの
診断結果により治療を終了。
現在、循環器系の内科で血圧の治療中。
バイアスピリン、ノルバスクを服用中。

部位:
正面を向いて右側後頭部の視野を司る部分。

現状:
軽度の頭痛、頭のふらつきがある。
神経内科での経過観察時にも頭痛、ふらつきを感じていたが、
脳梗塞とは直接的な関係がないとの診断で、特に対処は無し。

相談事項:
上記のような内容で、一年経過した現状でも頭痛、ふらつきを
感じることがあります。脳梗塞の後遺症として、このような
症状が考えられることはないのでしょうか。
頭のふらつきについては現在通院中の内科で、血圧治療のために
投与を受けているノルバスクを5mgのタブレットから
2.5mgのタブレットに替えてもらった際に、多少落ち着いた
経緯があります。
しかし、ふらつきは現状でもあり、とても心配な状況です。
脳梗塞は繰り返し生じる病気でしょうか。
また、このような状況は治療が必要な状況と考えられますか。


以下、参考のため、最初に不調を訴えた当初の状況を書きます。
昨年3月初旬(金曜日)、会社の歓迎会に出席し、そのときのこと。
殆んどアルコールを飲んでもいないにも関わらず、油汗が出始め、
突然気分が悪くなり、同時に頭も痛くなり、とにかく寝ていました。
たぶんこれが最初の状態と思います。
帰り道でのこと、頭は痛いけど、とりあえず普通に歩けましたので、
徒歩、電車で帰宅しました。このとき、例えば階段がある場所では、
なぜか足を踏み出すことに躊躇します。怖くてしかたありません。
段差が見えているのですが、高さの感覚が判断できません。判断に
時間がかかります。それでもなんとか家に戻りました。
今度は時計を見ると針が指している場所はわかるのですが、
それが何時であるのか、判断出来ない状態でした。判断できるまで
何十秒かの時間が必要でした。
あくる日の土曜、日曜と二日酔いのような頭痛があったのですが、
どうしたものかと思いながらもそのまま普通に生活をしていました。
月曜日の朝、やはりおかしいのではじめて医者に行きました。
まずは目を疑い検査を開始しましたが問題は見られませんでした。
結果が出るまでおよそ一週間です。
この後、神経内科に回され、MRIをとりました。
この間、頭痛の方は殆んど無くなり、見ているものの判断の鈍さの
症状だけが残りました。
MRIの結果、脳梗塞であるとわかるまでに二週間弱かかりました。
結局のところ原因は掴めませんでしたが、推測するに血圧が高め、
最近の仕事状況からとてもストレスを受けていたことが、
原因の一つではないかとコメントがありました。

以上、長い文章になってしまいましたが、何かしらのコメントを
頂けると幸いです。どうぞ宜しくお願いします。

[2004年3月19日 19時47分33秒]
by mmdmsci | 2004-05-20 17:25 | 脳神経外科


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